北米から南米にかけての西部大西洋から東部大西洋に生息するクモガニ科のカニの仲間で、細長く伸びた脚部を上手に使ってライブロックのような複雑な足場でもしっかりと歩き回ることができ、また、独特な動きで泳ぐこともできる不思議な生き物です。捕食しようとする外敵の攻撃から身を守るために進化して発達した頭部の先端には、ノコギリ状のトゲトゲとした突起があり、脚部を折り畳んで一本の矢(アロー)の形の姿勢になることからアロークラブという名が付いたといわれています。
基本情報
生物学的情報 | |
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名前 | アロークラブ |
別名 | アローヘッドクラブ・ノコギリイッカクガニ |
学名 | Stenorhynchus seticornis |
分布 | 西部太西洋 |
食性 | 雑食 |
グループ | クリーナークラブ |
飼育要件 | |
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飼育しやすさ | ★★★★☆ 容易 |
入手しやすさ | ★★★★☆ よく見かける |
餌付けしやすさ | ★★★★☆ 容易 |
混泳適正 | ★★★☆☆ ふつう |
最大甲幅 | 2cm(脚を含まない) |
適正水温 | 24℃前後 |
リーフタンクにおける育成のポイント
実は泳ぎも得意ですが、複雑な形状のレイアウトで構成されるリーフタンクにおいて、足場の多い環境はアロークラブにとっては好都合で、小型のカニのように隙間に入るような行動はできませんが、ゆうゆうと長い脚で跨いで歩行します。また、好物はウミケムシですが、ゴカイの仲間や人工飼料に慣れやすくリーフタンクでも飼育は可能です。
有害生物対策として
本種の食性は独特で、生のライブロックに侵入してしまう有害生体のウミケムシという棘のあるゴカイの仲間を駆除してくれる頼もしい生物です。レイアウトが複雑になるリーフタンクでは、人の手では駆除ができない有害生体を食べてくれる生物による駆除が理想的です。見た目にもユーモラスでリーフタンク向けといえます。
アロー まとめ
ユーモラスな姿が目を引く華奢なカニの仲間です。有害生物のウミケムシを捕食してくれるありがたい生物です。
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