サンゴイソギンチャク

触手の先端付近が膨らむ特異な外見を持つイソギンチャクの一種で、中では入門向けとされ、最も丈夫な部類に入る飼いやすい種類です。ただし、イソギンチャクというグループ自体が水質の安定性に左右される面があり、あまり初心者向けではなく、長期飼育には知識と経験を要します。

カラーバリエーションが豊富で、褐色系をベースに蛍光グリーンや透明感のあるピンクやレッドになる美しい体色のものも存在します。好日性サンゴと同様、体内の褐虫藻による光合成で成長するため飼育にはLEDライトなどの照明の設置が不可欠です。

また、クマノミ類との共生をすることでも知られおり、数種類のクマノミ類と一部のスズメダイの仲間がイソギンチャクと共生します。ただし、個体差や環境、そして、相性があるようで必ずしもイソギンチャクに入るというわけではありませんが、共生しないわけではないもののカクレクマノミにはあまり好まれないようです。ナミクマノミ、ハマクマノミ、スパインチークアネモネフィッシュなどは本種を好んで共生します。

共生他の生物が相互的に作用し合う状態で支え合って生活することを意味します。
アネモネフィッシュアネモネ=アネモネの花の形状に例えたイソギンチャクのことで、イソギンチャクと共生するクマノミの仲間を「アネモネフィッシュ」として呼んでいます。

基本情報

生物学的情報
名前サンゴイソギンチャク
別名
学名Entacmaea actinostoloides
Entacmaea quadricolor
分布伊豆半島以南~西部太平洋
食性肉食(貝、甲殻類、小魚)
グループイソギンチャク
飼育要件
飼育しやすさ★★★☆☆
標準
入手しやすさ★★★★★
とても見かける
餌付けしやすさ★★☆☆☆
標準
混泳適正★★★☆☆
クマノミ類との混泳可能
(多種との混泳は空間に余裕がない場合は注意)
最大全長30cm程度
適正水温20~25℃前後

リーフタンクにおける飼育のポイント

ソフトコーラルと同様に中程度の光量と触手がなびく程度の水流を与えた飼育環境が適しています。また、硝酸塩の蓄積には弱くプロテインスキマーは必須です。適切な環境・設備を整えてあげることで飼育はしやすくなります。個体自身が落ち着ける場所を探して頻繁に動き回る性質を持っているため、フィルターのストレーナーやオーバーフローパイプに吸い込まれ死んでしまうトラブルが起きることがあります。飼育水が循環する吸い込み箇所にスポンジフィルターなどのアクセサリーパーツ吸い込まれないような工夫が必要です。

他種との混泳について

イソギンチャクの仲間は、触手に刺胞毒があるため、遊泳する空間がない場合は、弱い魚や甲殻類の仲間は影響を受ける可能性があるため混泳は難しいでしょう。

イソギンチャクの多くは、体に大量の水分を含んでおり、水質の安定していない環境ですと膨張と伸縮を繰り返すことがあります。リーフタンクでの飼育の場合、レイアウトしたサンゴとの接触に注意が必要で、出来るだけゆったりとした水槽空間の中で飼育することがおすすめです。

共生するクマノミの仲間

カクレクマノミ
ナミクマノミ
ハマクマノミ
スパインチークアネモネフィッシュ

肉食性が強め

本種は、好日性サンゴと同様に、体内に褐虫藻(かっちゅうそう)を取り入れており、照明の光によるエネルギーで光合成を行って成長します。ですが長期的にみて栄養がない萎んでしまうため、しっかりと水分を含くませて戻したクリルや剥き身の貝などを中央の口道にピンセットなどで与えることで餌付けできます。クマノミ類と共生させている環境でしたらクマノミがエサを運んでくれることもあります。環境によりますが、餌付け自体は1週間に1回程度が理想で、エサを吸収したあと口道から排泄するため、腐敗をする前にできる限り見つけ次第取り出すことポイントとなります。

サンゴイソギンチャクまとめ

カラーバリエーションが豊富で鑑賞性もあり、共生するクマノミの種類もあることから入門向けとされ最も丈夫な部類に入る飼いやすい種類です。刺胞毒も強くなくある程度の空間を確保されたリーフタンクでも飼育を楽しむことができます。

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