海水水槽のクリーナー生体としては、定番中の定番の巻貝で動物のゾウのように長い口を伸ばして、砂やライブロックに付着した有機物を食べてくれます。また、カタツムリのように大触覚とよばれる長く伸びた部位の先端に瞳があり大変ユーモラスなフォルムの生物です。長く尖った刀(かたな)のような部位を回転させて移動する不思議な動作から侍の「チャンバラ」に例えられ別名「チャンバラガイ」として呼ばれています。食用としてはチャンバラガイと呼ばれることの方が多いようです。
なお、一般的な巻貝に比べて殻の開口は縦長で薄く狭いため、「ベニワモンヤドカリ」などの体が平らなヤドカリが好んで宿り貝として選んで住処にします。種類が違いますが毒をもった「イモガイ」に形が似ているのは身を守るため擬態しているものと考えられています。
基本情報
生物学的情報 | |
---|---|
名前 | マガキガイ(マガキ貝) |
別名 | チャンバラガイ、トネリ、ピンピンガイ、カマボラ、ティラジャー、コマガイ |
学名 | Strombus luhuanus |
分布 | 西部太平洋~インド洋 |
食性 | 雑食(人工飼料・藻類) |
グループ | クリーナースネール |
飼育要件 | |
---|---|
飼育しやすさ | ★★★★★ 容易 |
入手しやすさ | ★★★★★ よく見かける |
餌付けしやすさ | ★★★☆☆ ふつう |
混泳適正 | ★★★★☆ 混泳向き |
最大殻高 | 6cm |
適正水温 | 15~24℃前後 |
リーフタンクにおける育成のポイント
マガキガイは、コケ取貝と呼ばれる巻貝のような側面歩行もしますが、貝殻の重みと足部の構造的に長時間水槽の側面にとどまることはできないため、基本的には水槽の底付近で活動します。主にエサの食べ残しや水槽内の有機物捕食してくれるので直接エサを与えることはせずに飼育ができますがキレイすぎる環境ではエサとなる有機物が不足して餓死してしまうとがあります。生体の少ない環境での飼育の場合は、週に1度は沈下性のフィッシュフードなどを与えてあげると良いでしょう。
お掃除屋として
リーフタンクにおいては、底砂を敷いた環境で砂の上にコケが生えることがあります。マガキガイを放つことで砂の上をゆっくり進行して砂を少しずつ動かします。ベントス食性のハゼ類のように砂をもぐもぐして砂をまき散らす行動とは違い、マガキガイは砂をまき散らすことなくゆっくり進行してコケ繁殖を抑制することができます。
マガキガイ まとめ
マガキガイは、ゾウのように長く伸びた口で左右に振りながら有機物を捕食します。主に底面を歩行して行動するため、砂を敷いた環境では砂の上に発生するコケを抑止する目的で機能する生体です。
コメント