リーフタンクを陰で支えるスクーターブレニーは、和名でいうところのネズッポの仲間です。
底床やライブロックの上を這うように動き回るグループです。
青や赤の極彩色の発色を持つ種が多く、マンダリンはその代表種といえるでしょう。
性格は温和ですが、温和を通り越して臆病で神経質な傾向があります。
プランクトンなどの微生物を主食とする食性上、魚中心の水槽ではほかの魚に負けて満足に餌を摂れないことが多々あります。
こうなると、知らず知らずのうちに瘦せ細っていき、いつの間にか姿を消してしまうことも多いです。
しかしながら、サンゴが中心となるリーフタンクであれば、彼らはヒラムシ対策要員として活躍します。
リーフタンクとの相性
スクーターブレニーの仲間と、リーフタンクとの相性は抜群です。
このグループはサンゴのポリプをついばむようなことはしません。
他の魚に怯えやすい臆病な性質上、むしろリーフタンクのほうがこのグループの飼育には向いています。
一般的な魚中心の水槽ではやや飼いにくいとされますが、リーフタンクとの相性は非常に良い魚種といえるでしょう。
餌付けについて
比較的人工飼料に餌付きやすいグループです。
基本的に、餌付けで困ることはあまりないでしょう。
最初から人工飼料を与えても問題なく食べてくれることが多いです。
もし食べない個体の場合は、冷凍または活のイサザアミ(ホワイトシュリンプ)を与えると、良い結果が得られることが多いでしょう。
ヒラムシ対策に最適
リーフタンク、特にLPSを収容している水槽とスクーターブレニーの相性は抜群に良いです。
リーフタンクでは「ヒラムシ」と呼ばれる害虫がサンゴにとって厄介な存在になります。
大量に発生するとサンゴに取り付き弱らせてしまい、サンゴがポリプを開かなくなってしまいます。
しかしながら、スクーターブレニー類にとってこのヒラムシは好物です。
給餌に難があるとされますが、サンゴにとって厄介なヒラムシを積極的に食べてくれます。
魚中心の水槽ではほかの魚に怯えて隠れてしまうこともありますが、サンゴが中心のリーフタンクでは、敵がいないと安心してよく動き回ってくれます。
LPS中心のリーフタンクでは、ヒラムシ対策としてぜひ導入しておきたいクリーナーフィッシュです。
主なスクーターブレニー
マリンアクアリウムにおいて、比較的流通量の多いスクーターブレニーの解説は以下の記事をご確認ください。