インドケヤリ

インドケヤリ(Sabellastarte sanctijosephi)は、美しい羽毛のような鰓冠を持つケヤリムシです。
レイアウトにサンゴとはまた異なった彩りを加える無脊椎動物として、人気があります。

飼育は比較的簡単とされますが、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
この記事では、そんなインドケヤリの飼育方法について詳しく解説します。

インドケヤリの基本情報

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流通名インドケヤリ
学名Sabellastarte sanctijosephi
※インドケヤリの名で流通するケヤリムシには複数種が含まれています。
分布西部太平洋~インド洋
グループケヤリムシ
飼育しやすさ★★★★☆
比較的容易
入手しやすさ★★★★★
よく見かける

ケヤリムシの仲間としては比較的大型になる部類で、鰓冠は最大で直径6cm程にまで成長します。
流通量も多く、水槽内での存在感も十分であることから人気のケヤリムシです。

インドケヤリの最も特徴的な部分は、羽毛のような鰓冠(触手のような突起部分)です。
流通が多く見られるものは白~ブラウン系の個体が多く、派手な色彩はありませんが、見ごたえのある大きな鰓冠を広げます。

鰓冠を広げた優雅な姿からは想像しにくいですが、ケヤリムシは多毛類というゴカイに近縁な生き物で、管(棲管)の中にゴカイのような虫体が入っています。
管の中身が本体で、鰓冠は仮に取れても再生します。

リーフタンクにおける飼育のポイント

基本的に丈夫な種類です。
水流も弱め、餌も週に1回液体フードを振りかけてあげる程度で大丈夫です。

水質変化や物理的なショックでストレスを感じると鰓冠を落としてしまう場合があるので気をつけましょう。
なお自切した鰓冠は再生しますが、自切以前の元通りの模様にはなりません。

棲管は泥や砂で出来ているため柔らかく、棲管が潰れると本体まで潰れて死んでしまいます。
物理的な衝撃には弱いため、取り扱いには注意してください。

適正水温

高めの水温
標準的な水温
低めの水温
深海性

一般的なサンゴが好む水温と同じ温度帯を維持します。

光量

水深10m未満
水深10-30m
水深30-50m
水深50-80m

・サンゴとは異なり光合成をしていないため、光はあってもなくても構いません。
・ある程度明るい照明があったほうが、観賞する上ではよいでしょう。

水流

サンゴが左右に揺れる水流
澱みのないランダム水流
太くて強い水流

・弱く緩やかな水流を当てましょう。
・強い水流を当てると、ストレスを感じ鰓冠を自切してしまうことがあります。

給餌について

インドケヤリは主にプランクトンを食べるろ過捕食者です。
自然界では水中の微小な有機物を捕食していますが、アクアリウム内では以下のような餌を与えると良いでしょう。

餌の種類

液体フード: プランクトンが封入された液体フードは、インドケヤリにとって理想的な餌です。
植物性プランクトンや動物性プランクトンがバランスよく含まれたものが良いでしょう。

粉末飼料: 粉末状の餌や微細な粒状の餌も適しています。
これらは水中に散布しやすく、インドケヤリが効率よく捕食できます。

給餌方法

週に1回、液体フードを振りかけるのが一般的です。
過剰な給餌は水質の悪化を招くため、適量を守ることが重要です。

一度に与える量は少量で十分です。
水槽全体に餌が行き渡るように、少しずつ散布します。

給餌後、インドケヤリが触手を広げて餌を捕食する様子を観察します。
餌が行き渡っているか確認し、必要に応じて追加します。

給餌の注意点

給餌後は水質が悪化しやすいため、定期的な水換えやフィルターの清掃を行いましょう。

インドケヤリの配置

インドケヤリは触手を広げるため、十分なスペースが必要です。
他の生物やレイアウト素材とは、適度な距離を保ちましょう。
特にレイアウトロックの隙間や穴に配置すると、自然な環境を再現できます。
インドケヤリはレイアウトロックに付着して、安定することが多いです。

水槽に入れる前に

インドケヤリはケヤリムシというゴカイの仲間なので、水槽内に多毛類を好んで捕食する魚がいると鰓冠を自切したり、本体が食べられてしまうことがあります。

体長が10cmを超えるような中型のベラやゴンべ(ホークフィッシュ)の仲間がいる水槽では導入を避けたほうが安全です。歯が鋭く噛む力が強いフグやモンガラの仲間にとってもエサになってしまうので、注意しましょう。

配置のポイント

水流:インドケヤリは適度な水流を好みますが、強すぎる水流は避けましょう。
水槽内の水流が穏やかになる場所を選びます。

照明: インドケヤリは強い光を必要としませんが、適度な照明が必要です。
LEDライトなどで触手の色が映えるように配置しましょう。

具体的な配置例として、ライブロックの上部に配置すると、触手が広がりやすく、観賞性が高まります。

水槽の隅に配置するのも有効です。
この場合は触手が広がるスペースを確保し、他の装飾物と干渉しないようにしましょう。

配置後のケア

導入直後は鰓冠を広げないことも多いです。
配置後は定期的にインドケヤリの状態を観察し、鰓冠が広がっているか、健康状態をチェックしましょう。

鰓冠を広げない状態が長く続く場合、調子を崩している可能性があります。
調子を崩している場合は、水温、水質、比重、照明など、飼育環境を見直しましょう。

インドケヤリ まとめ

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インドケヤリは、美しい羽毛のような鰓冠を持つケヤリムシです。
花のように咲く鰓冠が水に揺らめき、レイアウトにサンゴとはまた異なった彩りを加えられるため、人気の高い無脊椎動物です。
個体により色彩も異なるので、意外と個性があるのも魅力です。

ケヤリムシの中でも比較的丈夫な種類であり、弱い水流と週に1回程度の給餌で飼育可能です。
レイアウトロックの隙間に配置すると、水槽に彩りを添えてくれるでしょう。

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