赤や青、緑など極彩色の色彩を持つベラの仲間。
マリンアクアリウムにおいては丈夫で入手しやすく、温厚な性質でサンゴやほかの魚に悪さをすることはありません。
「ファイティングラス」をはじめとしたイトヒキベラ(フェアリーラス)の仲間は比較的流通量も多く、入手しやすいベラです。
種類により1匹当たりのサイズは10~30cm前後とばらつきが大きいので、これから購入しようとしている種は最大で何cm程度まで育つのか、よく確認しておきましょう。
同種や近縁種のオス個体同士は激しく争う場合があるので、この点だけ留意しておきましょう。
リーフタンクとの相性
ベラの仲間と、リーフタンクとの相性は抜群です。
このグループはサンゴのポリプをついばむようなことはしません。
ただし1点、底床には気を使う必要があります。
底床には、パウダー状のサンゴ砂を採用しましょう。
ベラの仲間は底砂に潜って眠る性質があります。
底床が荒いとベラの体表を傷つけてしまう可能性があり、またちょうどよい寝床が見つからないので、ベラにとってストレスが溜まります。
餌付けについて
比較的人工飼料に餌付きやすいグループです。
基本的に、餌付けで困ることはあまりないでしょう。
最初から人工飼料を与えても問題なく食べてくれることが多いです。
なお、ベラの仲間は甲殻類を大変好む性質があります。
特にエビ類は大好物なので、入れれば餌となってしまうでしょう。
もし食べない個体の場合は、冷凍または活のイサザアミ(ホワイトシュリンプ)を与えると、良い結果が得られることが多いでしょう。
裏を返せば、クリーナーシュリンプの導入は向いていません。
甲殻の厚いカニやヤドカリは比較的食べられにくいため、共存は可能なようです。
例外的な性質を持つベラ
「ホンソメワケベラ」「ニセモチノウオ」の2種は流通量も多い人気種ですが、一般的なベラとはそれぞれ異なる性質を持っています。
ホンソメワケベラは大型魚の体表についた寄生虫を食べ、ニセモチノウオはリーフタンクで発生したヒラムシを食べてくれます。
それぞれ、得意分野の異なるクリーナーフィッシュとして活躍します。
この2種は一般的なベラとは異なり、底砂に潜って眠る習性を持ちません。
このため、底床は特に選びません。
主なベラ
マリンアクアリウムにおいて、比較的流通量の多いベラの解説は以下の記事をご確認ください。