マリンアクアリウムの主役を務める種も多い、色鮮やかなヤッコの仲間です。
サイズにより大きく小型/中型/大型の3タイプに分けることができ、性質もそれぞれ微妙に異なります。
タイプ別ヤッコの性質
小型ヤッコ
フレームエンゼル、チャイロヤッコ、ナメラヤッコ、アカハラヤッコ、ルリヤッコ、ソメワケヤッコ、シマヤッコ、チェルブピグミーエンゼル、アフリカンフレームバックエンゼル など
最大サイズが10cm前後の種が主に小型ヤッコと呼ばれます。
基本的にはポリプ食性が強くリーフタンクには不向きですが、一部共存可能な種もいます。
サンゴと共存可能な種の多くは、この小型ヤッコに属しています。
比較的小柄なため、60cm水槽から飼育可能です。
サンゴとの共存が可能な種に関しては、小型のリーフタンクに導入すると主役として楽しめます。
中型ヤッコ
イナズマヤッコ、クロシテンヤッコ、キンチャクダイ、ヘリキンチャクダイ、ロックビューティー など
最大サイズが20cm前後の種が主に中型ヤッコと呼ばれます。
中型種はポリプ食性が強く、基本的にリーフタンクには不向きです。
大型ヤッコ
タテジマキンチャクダイ(ウズマキヤッコ)、サザナミヤッコ、アデヤッコ、ワヌケヤッコ など
最大サイズが30cmを超える種が主に大型ヤッコと呼ばれます。
タテジマキンチャクダイなどの人気種が多く知られますが、ポリプ食性が強いため、基本的にリーフタンクには不向きです。
リーフタンクとの相性
ヤッコの仲間は一般的にサンゴのポリプを積極的についばむ性質があります。
ポリプ食性が強いため、水槽内にサンゴがあれば積極的に食べられてしまうでしょう。
人気の高い魚種ですが、残念ながらリーフタンクとの相性は悪いといえます。
基本的にはサンゴを主役とせず、魚を中心とした水槽に向いたグループです。
ただし、一部の種は例外的にポリプ食性が強くない種もいます。
それら一部の種に関しては、リーフタンクへの導入は可能です。
リーフタンクと相性の良いヤッコは小型ヤッコの一部の種に限られるので、ここでは小型ヤッコを中心に解説します。
餌付けについて
餌付けが必要となることが多いグループです。
基本的に、最初から人工飼料を食べてくれることはあまりありません。
アミノ酸系の栄養強化剤を併用することで、食べてくれやすくなります。
他に、アサリなどの貝類のむき身を与えると、良い結果が得られることが多いでしょう。
ポリプ食性が強くないヤッコ
ヤッコの大多数は基本的にはポリプ食です。
しかし、その中でもCentropege(ケントロピーゲ)属内のXiphypops(クシピポプス)亜属に分類される一部の種は、比較的ポリプ食性が強くない傾向があります。
具体的には「アフリカンフレームバックエンゼル」「チェルブピグミーエンゼル」「フレームエンゼル」「チャイロヤッコ」「ナメラヤッコ」「アカハラヤッコ」などが該当します。
これらの魚種に関しては、リーフタンクとの共存はある程度可能です。
ソフトコーラルやSPSはほとんどつつかれることがないでしょう。
ただし、空腹状態だとLPSはつつかれることがあります。
他のヤッコ類に比べるとつつきにくい魚種ですが、全くつつかないわけではありません。
管理状況によってはつついてしまう場合もあるので、過信は禁物です。
水質に敏感
ヤッコの仲間は他の海水魚に比べ、硝酸塩の蓄積に弱く水質の悪化には敏感な傾向があります。
しかしリーフタンクでは、そもそも魚以上にサンゴのほうが硝酸塩の蓄積に弱く水質には敏感です。
サンゴをコンディション良く管理できている水槽であれば、小型ヤッコ類は問題なく飼育可能でしょう。
主なヤッコ
マリンアクアリウムにおいて、比較的流通量の解説は以下の記事をご確認ください。