カンムリニセスズメ リーフタンクにおける飼い方の基本

カンムリニセスズメはリーフタンクとも相性の良いニセスズメの仲間です。
黄色をベースに紫のワンポイントが入る派手な2色を持ち、リーフタンクの中をホバリングしながら泳ぎ回る姿はとても目を惹きます。
小さめのリーフタンクに1匹入れておくと、リーフタンクのなかでもひときわ目立つ存在になってくれるでしょう。

人工飼料にもすぐ餌付き、丈夫で飼育しやすい種類です。

基本情報

生物学的情報
名前カンムリニセスズメ
別名パープルトップ・ドティーバック、ディアデム・ドティーバック
学名Pseudochromis diadema
分布西部太平洋~インド洋
食性雑食
グループニセスズメ
飼育要件
飼育しやすさ★★★★☆
容易
入手しやすさ★★★☆☆
標準
餌付けしやすさ★★★★★
とても容易
混泳適正★★☆☆☆
やや不向き
最大体長7cm程度
適正水温24℃前後

リーフタンクにおける飼育のポイント

紫と黄色のコントラストが派手なニセスズメの仲間です。
このグループの代表種ともいえるバイカラードティーバックに比べると黄色の面積が広く、紫が入るのは頭部のワンポイント程度になります。
サンゴなど構造物の周辺を時折ホバリングするように泳ぎ回り、小さい割によく目立つ魚種です。

なお本種は日本には分布していない魚種で、「カンムリニセスズメ」の名は実は流通名となります。
本種には、標準和名はいまのところまだありません。(2024年4月現在)

▼参考 ここにバイカラードティーバックの個別解説記事へのリンク

バイカラードティーバックに比べると流通量は少ないものの、まずまず見かける魚種です。
ニセスズメの仲間に共通して、同種や近縁種とは激しく争うという点には注意が必要です。

この性質があるため、基本的にニセスズメの仲間は水槽1本につき1匹までとしたほうが、トラブルが少ないでしょう。

他魚種との混泳について

混泳に関してはやや気を遣う魚種です。

本種自身が攻撃性を持ちますが、打たれ弱いため反撃されると弱ってしまいやすい点に注意します。
本種より小さい魚に対しては、形状や好む環境が似ていれば、攻撃してしまうリスクがあります。

本種より大きい魚に対しては、温和な魚種であれば問題はありません。
しかし攻撃性を持つ魚種の場合、本種と攻撃しあうと本種が負けてしまう可能性が高いです。

同種または近縁種に対しては激しい攻撃性を見せますが、全く異なる体形の魚種に関しては無関心なようです。
特にニセスズメ系と、スズメダイ系の魚種とはトラブルを起こしやすいため、これらとの組み合わせは避けましょう。

クマノミ類やイシモチ類、遊泳ハゼ、ギンポ類は比較的相性が良いです。
本種より小さい個体だと攻撃対象にされるリスクがあるため、なるべく本種より大きい個体を混泳させるのが望ましいです。

カクレクマノミ
マンジュウイシモチ
ハタタテハゼ
ヤエヤマギンポ

総じて、混泳に関してはやや不安のある魚種といえます。
リーフタンクのような魚は少なめ、サンゴは多めの環境は、ある意味では本種に適しているといえます。

ライブロック・サンゴによるレイアウト水槽向き

本種はライブロックなどで複雑に組み上げられた構造物を好みます。
構造物が全く入っていない水槽では落ち着きません。

気に入った構造物があると、それら岩やサンゴなどの周辺に縄張りを主張するようになります。
1匹でもよく目立ちますが、魚の数が多いとトラブルになりがちです。

このため、レイアウトをメインとした水槽に向いた魚種といえるでしょう。

カンムリニセスズメ まとめ

カンムリニセスズメは黄色をベースに、頭部が紫色に塗分けられた体色が特徴的なニセスズメの仲間です。
丈夫で飼育しやすく華やかなため人気の海水魚です。

飼育自体はしやすいものの、他魚との協調性にはやや難があるので、混泳相手の選定には注意しましょう。
本種と分類や体形が大きく異なり、本種より一回り以上大きい個体との組み合わせが理想的です。

1匹でもよく目立つこと、混泳に関してはトラブルを起こしやすいことから、どちらかといえばレイアウト水槽向きの魚種といえるでしょう。

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