オキナワベニハゼ リーフタンクにおける飼い方の基本

オキナワベニハゼはリーフタンクとの相性が良いハゼ科の仲間です。
美しい紅色の小型ハゼで、性転換が可能な不思議な魚です。

名前の通り日本でも主に沖縄地方で見られますが、西部太平洋に広くみられる広域分布種です。
グレートバリアリーフやトンガにも分布が知られており、沖縄地方の固有種ではありません。

最大でも体長約5cm程度の小型魚です。

生物学的情報
名前オキナワベニハゼ
学名Trimma okinawae
分布西部太平洋
食性雑食性
グループハゼ
飼育要件
飼育しやすさ★★★★☆
容易
入手しやすさ★★☆☆☆
あまり見かけない
餌付けしやすさ★★★★☆
容易
混泳適正★★★☆☆
おとなしい種類とは混泳可
最大体長5cm程度
適正水温24℃前後

リーフタンクにおける飼育のポイント

オキナワベニハゼは美しい紅色の小型ハゼで、性転換が可能な不思議な魚です。

リーフタンクではライブロックの隙間に住み、落ち着いた環境で飼育することで鮮やかな色彩を楽しむことができます。

野生下では大きな岩の裏やオーバーハングの斜面などに生息しているため、このような地形を意識したレイアウトを構築すると良いでしょう。

オーバーハング型の地形が有効

餌は人工飼料や冷凍コペポーダ、イサザアミを与え、最初は冷凍飼料を細かくして与えると良いでしょう。
水質の変化に敏感なので、安定した環境を維持することが重要です。

サイズが非常に小さいため、特に30cmキューブ以下の小型リーフタンクと特に相性が良いです。
海藻マリンボトルでの飼育にも向いています。

他魚種との混泳について

オキナワベニハゼは数匹で小規模な群れを作ります。
ただし、臆病な性格のため、あまりちょっかいを出してくるような魚がいると巣穴から出てこなくなることがあります。ペアまたは3~5匹程度の小さな群れでの飼育が理想的です。

他の温和な魚種との混泳は可能ですが、十分な隠れ場所を提供することが重要です。

大変小型のハゼなので、小型魚として販売される魚種であっても、口に入るサイズなら食べられてしまいます。

他の魚を入れる場合、ヤエヤマギンポやマンダリンなどのクリーナーフィッシュに留めたほうが良いでしょう。

ヤエヤマギンポ
マンダリン

サンゴとの相性も良く、基本的にサンゴとは一緒に飼育できます。
ただし、捕食されてしまうリスクがあるため、イソギンチャクとの混泳は避けるべきです。

双方向への性転換は極めて珍しい

海水魚の中では、性転換という現象自体はさほど珍しいことではありません。
例えば、カクレクマノミは最初オスとして生まれ、大型の個体がメスに性転換します。

キンギョハナダイでは逆に最初メスとして生まれ、大型の個体がオスに性転換します。

このように、成長の過程で性転換する魚種は、観賞魚として一般流通する魚種の中でも意外と多くみられます。

カクレクマノミ
キンギョハナダイ

しかし、オキナワベニハゼのように、オスにもメスにも性転換可能な魚種は、極めて異例な性質と言えます。

本種は基本的には大型の個体がオスになり、小型の個体がメスになります。
野生下では数匹程度の小規模な群れを作りますが、その中で一番大きな個体がオスとなり、残りがメスとなります。
この群れに新たに大型個体が加わった場合は、その個体がオスとなり、2番目に大きな個体はメスとなります。
群れからオスがいなくなった場合は、残った個体の中で一番大きな個体がメスからオスになるようです。

精巣と卵巣の両方を常に備えており、状況に応じていずれかを発達させることで、雌雄を任意で切り替えることができる、ということが分かっています。

海水魚全体を見渡しても、非常に興味深い生存戦略の持ち主です。

オキナワベニハゼまとめ

オキナワベニハゼは美しい紅色の小型ハゼで、性転換が可能な不思議な魚です。
リーフタンクではライブロックの隙間に住み、落ち着いた環境で飼育することで鮮やかな色彩を楽しむことができます。

餌は人工飼料や冷凍コペポーダ、イサザアミを与え、最初は冷凍飼料を細かくして与えると良いでしょう。

他魚種とも混泳が可能ですが、臆病な性格のため、ペアや小さな群れでの飼育が理想的です。
海水魚全体を見渡しても、珍しい生存戦略を持つ魚です。

リーフタンクでその不思議な生態を観察してみるのも、興味深いかもしれません。

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