レッドシーグレープ

本種は、紅藻の中では比較的珍しい球状の葉状体を持ち、「ウミブドウ」のようなツルを伸ばし匍匐(ほふく)するカウレルパ属とは異なり、岩盤に定着させて茎を伸ばして展開する有茎種の海藻となります。レッドフェザーと並んでマリンアクアリウム向けとして、古くから知られている紅藻の仲間ですが、インドネシア海域から南部オーストラリアに近い海域に分布しているようで、流通量は年々少なくなっているようです。すが昨今では、沖縄近海の海域でも目撃されており、入荷量については今後に期待したいところです。紅藻の人気種「レッドフェザー」と比較すると流通がやや少ない種類となっています。

基本情報

生物学的情報
名前レッドシーグレープ
別名ハナノエダ、レッドグレープ、レッドバブル
学名Botryocladia leptopoda
分布インドネシア海域南部~オーストラリア西部沿岸
飼育要件
飼育しやすさ★★★☆☆
標準
入手しやすさ★★☆☆☆
やや珍しい
適正水温24度前後
照明
60cm水槽で2000lm程度※
水流
房がなびく程度
備考リーフタンクではメイン水槽

リーフタンクにおける育成のポイント

硝化作用が行き届いた清潔な水質を保てているリーフタンクでは、問題なく育成することができ、水流によって運ばれる飼育海水中の栄養分を吸収して育ちます。また、ウミブドウほどの光量は必要ないですが、好日性のソフトコーラルの飼育レベルの照明で幅60cmの水槽で1500~2000lm程度で飼育はできるでしょう。あまり強い光を照射しすぎますと葉焼けを起こしてしまうので配植に注意が必要です。

海藻の中でも本種は、透過性のあるワインレッドの色合いも美しいことからサンゴと並んでレイアウトに用いられることも多いです。なお、あまりにも栄養塩が過剰すぎると珪藻類(いわゆる茶ゴケ)などに覆われてしまい、丸い粒の葉状体を離脱して朽ちていしまうことがあるため、水質には注意が必要です。

過剰な栄養塩の吸収作用として

他の海藻類と同様に、飼育海水中に浮遊する過剰な栄養塩の吸収に期待できます。リーフタンクにおいては、適度な栄養塩はサンゴの育成に非常に重要な役割を担っていますが、過剰な濃度になると体内に取り入れている褐虫藻の基礎代謝が乱れ発育が悪くなったりします。自然な状態にコントロールする意味でも少量の海藻におよって水質バランスを安定化させることに期待できます。

レッドシーグレープ まとめ

サンゴに負けない個性的で美しい海藻の仲間です。成長は緩やかで見栄えも彩りもよいのでサンゴと共に配植でき、それほど強い光を望みませんが、サンゴ向けの青白系の光で育成をすることができます。

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