マルコロックはフロリダ半島産の天然石灰岩を利用したリーフタンク用コーラルロックです。
マルコロックの形状としては目的に応じ複数の形状が販売されていますが、今回はこのうち「リーフセーバー」について具体的に紹介します。
▼マルコロックの基本解説はこちら
マルコロックの基本事項を知りたい方は、まずこちらの記事からどうぞ。
目次
リーフセーバーの形状別特徴
リーフセーバーは空隙が多く多孔質な形状が特徴となる、マルコロック各種の中でも最もスタンダードなタイプです。
空隙は内部の奥深くにまで広がっており、一般的な石灰岩よりも容易に破砕できる構造になっています。
これがマルコロックの加工性の高さに繋がっており、自由なカスタマイズを可能としているのがリーフセーバー最大の特徴です。
この空隙が多い多孔質構造は、ろ過性能の面で見てもライブロックの代替として充分な機能を発揮します。
内部にバクテリアのフロック(塊)が入り込んでバイオフィルムを形成することで、脱窒菌などの嫌気バクテリアが活動する領域を容易に作り出すことができるのです。
レイアウトを重視したい水槽では細かく破砕して自由に組み上げる使い方ができ、嫌気を含む生物ろ過を重視するのであれば割らずにそのまま水槽へ入れるといった使い分けも可能としています。
そして、リーフセーバーには大きく分けて2種類の質感を持ったものが存在します。
表面がゴツゴツして尖った質感を持つ「エッジ」タイプ。
角が取れた柔らかな印象の質感となっている「エッジレス」タイプ。
Plants techではこれらを独自に選別して、目的に応じた使い分けができるようにしました。
形状をカスタムするときは、この質感の違いを好みに応じて使い分けてください。
リーフセーバー エッジ
リーフセーバー エッジレス
リーフセーバーとしては上記2タイプが基本形ですが、後述の加工を行うにあたって有効なパーツとして、「クランチ」もあります。
リーフセーバー クランチ
「クランチ」はあらかじめ破砕されたマルコロックの破片です。
マルコロックは一般的な石灰岩に比べて割りやすい構造をしていますが、加工時に破片が飛び跳ねることもあり保護メガネなしでの破砕作業は危険を伴います。
手軽に接着したい方は、予め破砕されたクランチを使われることをお勧めします。
リーフセーバーを用いた作例
マルコロックはそのままでも利用できます。
しかし、最大の特徴は「任意の形状に破砕し加工が可能なこと」です。
以下に「リーフセーバー」を中心に使用した作例を紹介します。
このようにマルコロックを破砕して、接着剤を練り合わせ再度組み上げることで、自然のサンゴ礁さながらの形状を持ったレイアウトロックを、思い思いの形状に作り上げることが可能です。
これこそがマルコロック最大の醍醐味といえるでしょう。
組み上げた段階では複雑な形状を持った石灰岩にとどまりますが、これを水槽内に入れておくことで石灰藻が付着・熟成します。
石灰藻が付着・熟成すれば、見た目は複雑なディティールを持ったライブロックそのものです。
もちろん、熟成後は機能としてもライブロックと同等の効果が期待できます。
加工の際は、破砕したマルコロックの接着は「MRジョイントパウダー」と「シアノアクリレート系接着剤」を利用します。
▼具体的な接着方法については、以下の記事を参考にどうぞ。
使用量の目安
リーフセーバーのサイズ展開は2024年7月現在、以下の通りです。
それぞれのサイズを単体で利用する場合の水槽サイズの目安もご参考にお選びください。
水槽サイズ目安 | エッジ(Edge) | エッジレス(Edgeless) |
---|---|---|
30cm未満の小型水槽 | SSサイズ 1kg | SSサイズ 1kg |
30cmキューブ水槽 | Sサイズ 2~3kg | Sサイズ 2~3kg |
45cm水槽 | Mサイズ 4~5kg | Mサイズ 4~5kg |
60cm水槽 | Sサイズ 8~10kg | Sサイズ 8~10kg |
60cm水槽 | Mサイズ 8~10kg | Mサイズ 8~10kg |
60~90cm水槽 | Lサイズ 8~13kg | Lサイズ 8~13kg |
1個当たりの最大辺
- SSサイズ:10cm以下
- Sサイズ:20cm未満
- Mサイズ:20~25cm程度
- Lサイズ:25cm以上
※天然素材につき重量にはばらつきがあります。
※構造上内部に空隙があるため、サイズが同じでも重さが異なる場合があります。
なお、マルコロックの真髄は複数のサイズ・タイプのものを組み合わせて加工することにあります。
上記はあくまでも単品使用する際の目安になります。
形状は任意のものへ加工が可能ですので、複数のマルコロックを組み合わせてお手持ちの水槽サイズに合ったサイズに加工してみてください。
マルコロックの基本形 リーフセーバー まとめ
「リーフセーバー」は各種マルコロックの中でスタンダードな形状のシリーズです。
空隙が多く多孔質の構造が特徴的で、「エッジ」と「エッジレス」の2タイプがあります。
「エッジ」はゴツゴツとした荒々しい岩肌が特徴的で、レイアウトのディティールアップに最適です。
「エッジレス」はエッジに比べ岩肌が滑らかで、コストパフォーマンスに優れベースロックとして有効です。
「クランチ」はマルコロックの破砕片です。
オリジナルの形状に加工する際のディティールアップに活躍します。
リーフセーバーは単品でもそれなりのレイアウトに仕上がりますが、複数のタイプを上手に組み合わせることで、より複雑なサンゴ礁の形状を再現できることでしょう。
また、リーフセーバー以外の形状とも組み合わせることで、さらに表現の幅が広がります。
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