実は冬こそはじめどき!リーフタンクを立ち上げよう

冬は寒さが厳しく、外出が億劫になる季節。
しかし、そんな時こそ自宅で楽しめる趣味を始める絶好のチャンスです。
冬の室内を彩り豊かにし、癒しの空間を提供してくれるリーフタンクはおすすめの趣味の一つですが、冬にはじめることには明確なメリットがあります。

この記事では冬季に水槽を立ち上げるメリットと、大まかな立ち上げの流れを紹介します。

冬にリーフタンクを始めるメリット

冬は気温が低く寒い季節ですが、これがリーフタンクを始めるうえで最大のメリットになります。
多くのサンゴは30℃以上の水温に弱いことから、夏場の管理は水槽用クーラーが必要です。

一方で、冬は暖房を使用しても意図的に設定しない限り室温が30℃を超えることはありません。
リーフタンクは初期費用が高額になるという難点がありますが、これはクーラーの導入が占めている部分も大きいことが挙げられます。

一般的なコンプレッサー式水槽用クーラーの価格は¥40000~¥50000以上のものが多く見られます

水槽サイズにもよりますが、60~90cmサイズの水槽の場合で初期費用を5~8万円程度節約できるのは、大きなメリットといえるでしょう。

リーフタンクを立ち上げるために初期費用をなるべく抑えたい場合は、冬に立ち上げることで水槽用クーラーの購入を先延ばしにすることができるのです。

揃えるべきアイテム

クーラー抜きで立ち上げることができるため、クーラー接続用のポンプと配管類の購入も一旦後回しにできます。
したがってリーフタンクの立ち上げに最低限必要なものを揃えると、以下の通りとなります。

外部式フィルターで運用

  • 水槽
  • 水槽台
  • 外部式フィルター
  • ヒーター
  • 照明
  • プロテインスキマー
  • 人工海水
  • 比重計
  • 底床(ライブサンドがおすすめ)
  • バケツ
  • カルキ抜き

例えば60cm水槽の場合、最安で揃えると7万円程度が目安です。
ただし、安価な器具は必ずしも管理しやすいとは限りません。
最初からある程度高価な機材を使用したほうが、後々の管理が楽になる場合もあるでしょう。

オーバーフロー水槽で運用

  • オーバーフロー水槽
  • 水槽台
  • サンプ水槽
  • 接続用配管
  • ヒーター
  • 照明
  • プロテインスキマー
  • 人工海水
  • 比重計
  • 底床(ライブサンドがおすすめ)
  • バケツ
  • カルキ抜き

例えば60cm水槽の場合、最安で揃えると11万円程度が目安です。

外部式よりもろ過能力の高さが魅力です。
ただし、初めてのアクアリウムでオーバーフローシステムを構築するのは少々難儀するかもしれません。

おおまかなセッティングのイメージ

機材が準備できたら、次は水槽のセッティングです。
おおまかな流れは次の通りです。

冬季に始める想定のため、ここではクーラーの設置は省略します。
クーラーを設置しなくてよい分、短時間でのセッティングが可能な点も、冬季に始めるメリットとしてうれしいところですね。

水槽の設置場所を決める

水槽の設置場所を決め、水槽台と水槽を設置しましょう。

底床を敷く

ライブサンドが特におすすめ。

水槽内に底床を敷き詰めます。
サンゴ砂かアラゴナイトサンドの利用が一般的です。

バクテリア定着済みの、「ライブサンド」を使用するとより早く水槽のろ過システムが構築されやすくなるため、おすすめです。

海水を準備する

人工海水での調製が便利。

バケツに水道水を入れ、カルキ抜きで塩素を中和します。

人工海水を所定の量(目安として水1Lあたり30~35g程度)溶かし、海水を作製します。
人工海水は比重計で1.021~1.024程度になるまで溶かします。

海水ができたら水槽内に入れます。

レイアウトロックを設置する

マルコロックなどのレイアウトロックがある場合はこの段階で水槽内に入れ、レイアウトの大まかな構造を決定します。

マルコロックを設置するならこの段階
ライブロックでもOK

レイアウトロックは立ち上げの際に必須ではなく、最初から入れなくても水槽の立ち上げそのものは可能です。
ただし、底床と同時にバクテリアの定着が促せるため、入れておいた方がメリットが大きいです。

可能であれば、この段階で導入しておくことをおすすめします。

ヒーター、フィルター、照明の設置

各製品の取扱説明書に従い、ヒーター、フィルター、照明を設置します。
これで一通り水槽としての稼働が可能になります。

ろ過サイクルの構築

一通り水槽が稼働できる準備が整ったら、ヒーター、フィルターを稼働させます。
生体(サンゴ・魚)はまだ入れてはいけません。

ただし、硝化バクテリアを活性化させるためのアンモニア供給源として、パイロットフィッシュとなる海水魚を少数導入するのは有効です。

導入する場合はスズメダイやハゼ、ギンポ類など、比較的丈夫な魚種を選ぶようにします。

デバスズメダイ
ハタタテハゼ
ヤエヤマギンポ

水槽内のバクテリアが活性化し、ろ過サイクルが構築されるまでは数週間~1ヶ月程度かかります。
メインとなるサンゴなどの生体を導入するのは、その後になります。

万全を期するには、アンモニアと亜硝酸を測定すると、なお確実です。

水槽のセッティング後、まずアンモニアが増え、その後に亜硝酸が増えてきます。
アンモニアは比較的早期に0になりますが、亜硝酸はしばらく検出され続けます。

数週間~1ヶ月程度を経ると、亜硝酸がほとんど検出されなくなるタイミングがやってきます。

このタイミングで硝化バクテリアのろ過サイクルが完成したと判断でき、サンゴなど主役となる生体の導入に理想的な状態となります。

生体を導入する

マメスナギンチャク
ハナガササンゴ
ミドリイシ

ろ過サイクルが構築出来たら、いよいよ生体を導入します。
サンゴを入れられるのは、このタイミングです。

これでいよいよ、リーフタンクでの飼育デビューに成功です!

クーラー導入のタイミング

冬季にリーフタンクを立ち上げる場合、クーラーの導入をスキップできます。
ですが、冬季以外では水温管理に欠かせないアイテムです。

サンゴは水温の変化に敏感で、水温が28℃を超えると急激に弱りだします。
4~10月にかけては気温が30℃を超える日も出てきますので、水温管理のマストアイテムです。

目安として、3月下旬頃までにはクーラーを用意しておきましょう。

近年では4月でも気温が急激に上がることも多くなってきたために、遅くても5月のゴールデンウィークを迎えるまでには水槽用クーラーの導入が必要になります。

実は冬こそはじめどき!リーフタンクを立ち上げよう まとめ

冬にリーフタンクを始めるメリットは、主に初期費用を節約できる点が大きいです。
特にクーラーが不要となる点は大きく、初期費用を抑えられます。

60cm水槽の場合、約5~8万円程度費用を抑えて水槽の立ち上げが可能です。
またクーラーの設置工程を省略できるため、短時間でのセッティングが可能です。

安定した室温により水温を23℃に維持しやすく、また時間の有効活用をしやすいという点でもメリットがあります。

リーフタンクを立ち上げるなら、実は冬こそがはじめどき。
さあ、今すぐ水槽を立ち上げはじめましょう!


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