マメスナギンチャク/Zoanthus

カラーバリエーションが豊富な好日性ソフトコーラルの一種です。
イソギンチャクに近い種類で、直径4~8mm程度のポリプをマット状の共肉で繋げた群体として生育します。

本種の楽しみは何といっても圧倒的なコレクション性です。
グリーン、オレンジ、ピンク、レッドなど様々なカラーバリエーションがあり、ポリプの中心部に色がついているものもあります。
ポリプとポリプの中心部のカラーの組み合わせを考えると、そのバリエーションは極めて多岐にわたります。

そのうえで、サンゴ飼育においては入門種といえるほど丈夫です。

基本情報

流通名マメスナギンチャク
学名Zoanthus sp.(複数種類が流通)
分布太平洋~インド洋の熱帯海域
グループソフトコーラル
飼育しやすさ★★★★☆
基本を押さえれば容易
入手しやすさ★★★★★
よく見かける
備考他のサンゴに対する毒性がやや強いので、他種のサンゴを隣接して配置しないように注意しましょう。

飼育要件

自生地の環境 / Habitat Sea Area
給餌は少なめ
給餌と栄養剤の使用が有効

光合成のみでは栄養が不足しやすい面があります。
給餌や栄養剤の使用で調子が上がりやすくなります。

適正水温 / Water Temperature
高めの水温
標準的な水温
低めの水温
深海性

一般的なサンゴが好む水温を維持します。

光色のセッティング / Lighting Spectrum
水深10m未満
水深10-30m
水深30-50m
水深50-80m
PARの目安100~200

・サンゴの蛍光色素に対応した光色のものを使用しましょう。
光量は中程度。蛍光色がきれいに出る程度で問題ありません。
・色揚げを強化するならシアン~グリーンの光を増やしましょう。

水流 / Water Flow
サンゴが左右に揺れる水流
澱みのないランダム水流
太くて強い水流

コントローラー付きサーキュレーターの使用推奨。
・ゾアポックス予防のため、澱みのないランダム水流でポリプの間にゴミが溜まらないようにしましょう。

エサの種類とサイズ / Feeding Menu
液体
パウダーサイズ
顆粒サイズ
ペレットサイズ

エサは与えなくても大丈夫ですが、与えればその分成長が良くなります。
与える場合の頻度は2~3日に一度程度を目安に。給餌量は残り餌が出ない程度の少量に留めます。
ゾアポックス予防のために残り餌が出ないような給餌を心掛けましょう。

リーフタンクにおける飼育のポイント

一般的な向日性ソフトコーラルの飼育環境が構築できていれば、育成に難しい点はありません。

光・水流・水質の管理は最低限レベルで育成可能ですが、十分な光量とポリプがなびく程度の水流、リン酸値を低めに管理すると、発色がさらに鮮やかになります。

他のサンゴと一緒に配置する場合は、注意点があります。
本種はほかの種類のサンゴに対する刺胞毒がやや強く、隣接したサンゴを攻撃して弱らせてしまうことがあります。

このため、レイアウトの際はほかのサンゴとは離して配置することが求められます。
隣接していなければ攻撃しないので、離して配置すればほかのサンゴとの共存は問題ありません。

マメスナギンチャクのトリートメント

基本的には丈夫なソフトコーラルですが、痩せて体力が落ちたものはサンゴ用栄養剤でのトリートメントが必要です。

購入時に細くてポリプをなかなか開かないようであれば、まずは水槽内の環境から見直して水流や光など環境条件に不足がなければ栄養が不足して体力が落ちている可能性が高くなります。

そういったときにはサンゴ用の栄養剤を使用してトリートメントをしましょう。

サンゴ用栄養剤で基礎体力を補いましょう

サンゴ用の栄養剤は必ず規定量に沿った使い方をしてください。
過剰に添加してしまうと水質の悪化や腐敗菌の増殖などを招いてしまうことがあるため、注意しましょう。

サンゴの体力を回復させるためといっても栄養剤を過剰に添加してしまうと、マメスナギンチャクが吸収しきれない分の栄養がビブリオ菌など病気を引き起こす細菌の栄養源になってしまうことがあります。

ビブリオ菌をはじめ、サンゴの病気を引き起こしてしまう細菌類が増えすぎてしまうとゾアポックスと呼ばれる白い斑点状の腫れ物のようなものが表れてしまいます。

この病気はビブリオ菌や微胞子虫といったサンゴの体内に侵入する病原菌や寄生虫に対して、マメスナギンチャクが抵抗するための免疫反応と言われています。

「マメスナギンチャクの体力が落ちている」+「病原菌などが増えやすい環境」が合わさることでゾアポックスが発生してしまう要因となります。

マメスナギンチャクのトリートメントを行うにあたっては、水換えを行い清潔な環境を整えてから栄養剤を与えるようにしましょう。

マメスナギンチャク まとめ

マメスナギンチャクはカラーバリエーションが豊かなソフトコーラルです。
ポリプとポリプ中央部のカラーリングが個体によって異なり、高いコレクション性が魅力です。

サンゴの中でも最も育成が容易な部類に入り、育成要件は緩めです。

刺胞毒がやや強いので、ほかのサンゴと組み合わせる場合は少し離して配置しましょう。

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