アクアリウムの楽しみ方は様々。
サンゴを中心とした水景を楽しむ「リーフタンク」スタイルは、その中でも一際独自性の強いカテゴリです。
今回は他のスタイルには見られない、リーフタンク独自の魅力を掘り下げて紹介します。
リーフタンクとは
そもそもリーフタンク(Reef tank)とは、直訳すると「岩礁の水槽」になります。
アクアリウムにおいては、「サンゴを主役とし、サンゴ礁の環境を再現した水槽」を指します。
この「再現」とはサンゴだけでなく、サンゴを取り巻く水質環境、バクテリアや物質循環も含めて再現しようしとしている水槽をいいます。
リーフタンク≒サンゴ水槽
リーフタンク=サンゴ礁の環境を再現を目指した水槽
(サンゴだけでなく、バクテリアや物質循環も対象)
サンゴが主役(中心)の水槽という点ではどちらも共通します。
厳密には異なる点もありますが、サンゴをメインとした水槽という点において、リーフタンクとサンゴ水槽はほぼ同義と考えても差し支えありません。
鮮やかな蛍光色
リーフタンクの魅力として最もわかりやすく、目を惹く要素として鮮やかな蛍光色が挙げられます。
サンゴの持つビビッドな蛍光カラーは、生物全体を見渡してもなかなか見られません。
この発色は他のアクアリウムジャンルには類似するものが存在しません。
独自の発色を持たせたレイアウト表現が可能という点は、リーフタンク最大の魅力といえるでしょう。
幽玄に揺れるポリプ
サンゴの種類によって、ポリプの形状は様々。
蛍光色を発したり、あるいは、半透明の球体を膨らませたり。
水中にゆらゆらと揺れるポリプはとても幻想的な雰囲気を放ちます。
ポリプの躍動感は写真では伝わりません。
ぜひ実際に育ててみて、体験して頂きたい要素です。
そそられるコレクション欲
鮮やかな発色、その組み合わせ。
種類によって全く異なる様相を見せるポリプの形状。
その組み合わせは極めて多様で、収集欲もそそります。
特に「フラグサンゴ」と呼ばれる破片状のサンゴを集めて大きく育て、仲間内で分け合うといった楽しみ方も、人気が高いです。
形状・カラーの異なるいろいろな種類のサンゴを集めるもよし。
マメスナギンチャクやスコリミアなど、カラーバリエーションの多い種類を専門に集めるもよし。
人により集め方に個性が現れるのも、サンゴ収集の奥深い要素といえるでしょう。
難しいから面白い
リーフタンクの維持管理は、一筋縄ではいきません。
アクアリウムのジャンルには様々なものがありますが、それらの中で最高難易度といっても差し支えないでしょう。
リーフタンクの維持管理にはアクアリウムの基本的な知識に加え、比重、蛍光タンパク質の励起する波長、色揚げに有効な微量元素、サンゴの種類により異なる水流の強弱なども要求されます。
覚えることがとにかく多い分野である点は間違いありません。
また、飼育器具が特殊で種類も多い分、コストも高めです。
最初のうちはなかなか、思い通りにコントロールできないことも多いでしょう。
しかしながら、原因を一つ一つ追求していけば、きっと解決の糸口が見えてきます。
コントロールが難しいからこそ、狙い通りに増殖・発色できた時の喜びもまた一層のものです。
水中の生き物の飼育は全く未経験、という方がいきなりサンゴ飼育を始めるのは難しいかもしれません。
しかし熱帯魚や金魚など、何かしらのアクアリウムの管理経験をお持ちであれば、その経験は必ず活かせます。
さらに、飼育器具の改良・進歩や飼育ノウハウの蓄積により、以前に比べればサンゴの飼育はチャレンジしやすくなってきています。
特に、色々な分野のアクアリウム管理経験がある方におすすめです。
腕に自信のある方は、ぜひチャレンジしてみましょう!
環境保全に通ずる面も
近年、海水温の異常な上昇などにより、世界中でサンゴ礁が白化し、死滅する現象が起きています。
その一方で、サンゴの生態は未だ完全には解明されていないものも多く、水槽内での飼育データは貴重なデータともいえるでしょう。
サンゴを飼育するということは、そのノウハウを蓄積するということにもなります。
また、人気の高いフラグサンゴのように飼育環境下で増殖・流通しているものであれば、これは天然の海洋環境に負荷をかけていません。
一人でも多くの人がサンゴの飼育ノウハウを身に着けることは、将来、貴重なサンゴの保全において役立つ場面が出てくるかもしれません。
リーフタンクの魅力 まとめ
リーフタンク、つまりサンゴ水槽の魅力を知れば、きっとあなたもその美しさに魅了されることでしょう。
リーフタンクはサンゴを主役にした水槽であり、サンゴを取り巻く水質環境、バクテリアや物質循環も含めて再現することを目指しています。
リーフタンクの最大の魅力は、その鮮やかな蛍光色です。
サンゴのビビッドな蛍光カラーは他のアクアリウムでは見られない独自の発色で、水槽全体を美しく彩ります。
また、サンゴのポリプが水中でゆらゆらと揺れる様子はとても幻想的で、実際に育ててみることでこそ、その魅力を実感できます。
さらに、リーフタンクはコレクション欲をそそる要素も満載です。
サンゴの種類やカラーの組み合わせは多様で、収集する楽しみがあります。
特に「フラグサンゴ」と呼ばれる破片状のサンゴを集めて育てる楽しみ方は人気が高く、育てたサンゴを知人間でトレードし合う楽しみもあります。
もちろん、リーフタンクの維持管理は簡単ではありません。
アクアリウムの基本的な知識に加え、比重や蛍光タンパク質の波長、微量元素、水流の強弱など、多くの要素を学ぶ必要があります。
しかし、その難しさがあるからこそ、成功したときの喜びはひとしおです。
また、サンゴの飼育は環境保全にもつながります。
自然下ではサンゴ礁の白化が進む中、水槽内での飼育データは貴重な情報となります。
得られた知識や経験は、将来的にはサンゴの保全に役立つかもしれません。
アクアリウムの経験がある方なら、リーフタンクに挑戦する価値は十分にあります。
美しいサンゴの世界を自分の手で作り上げ、その魅力を存分に楽しんでみませんか?
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