コピペで作る 生成AIを使ったサンゴ育成シミュレーター

限られた水量の中に、広大な海の一角を切り取る。
その過程には、何度経験しても色褪せないときめきがあります。

特に30cmキューブなどの小型水槽(ナノリーフタンク)において、ライブロックの形状やサンゴの配置は、まさに一期一会の真剣勝負です。

「このマルコロックを土台にして、ここにミドリイシを置いたら、成長後はどんな景色になるだろう?」

そんな想像を、現実的なビジュアルとして描き出すために。
今話題の生成AIを「専属のアクアリウムデザイナー」として活用してみませんか?

今回は、特定のモデルに依存せず、ほとんどの画像生成AIで使える「魔法のレシピ(プロンプト)」を公開します。


自分だけのシミュレーターを作ろう

AIに後述の「指示書(プロンプト)」と、画像を渡すだけ。
あなたのデスクトップが、あるいはスマホが、最新のシミュレーターに変わります。

動作確認ツール(2026年3月時点)
※他のAIモデルでも動作すると思いますが、確認はしていません。
ChatGPT (DALL-E 3), Gemini(Nano banana 2)
作成所要時間約5分
(画像をアップロードして、プロンプトをコピペするだけ)
カスタマイズ照明、底砂の種類、バックスクリーン、成長度合いなどは自由に変更することも可能

なぜ「ツール」ではなく「レシピ」なのか

リーフタンクの環境は千差万別です。

照明はブルーですか?それともホワイトですか?
底砂はパウダー状ですか?それとも粗目ですか?

目指すスタイルは「SPSメインのハイエンドなリーフタンク」ですか?
それとも、「ソフトコーラルが揺らめく、光差すラグーン」ですか?

目指したいレイアウトのスタイルによって、正解は異なります。
目指したい理想形も、人それぞれ。

これは、添加剤の量を水槽に合わせて調整するようなもの。
絶対的な正解はありません。

なので、AIへの指示もあなたの好みや表現にしたい水槽に合わせて、「カスタマイズ」することが重要です。

ここではその「核」となる、スタンダードでベーシックなレシピを公開します。
細部については、実際の水槽と同じように、生成結果を見ながら各自で調節してみてください。


実践:シミュレーターの作り方

作り方は簡単です。
後述する「マスタープロンプト」をコピーし、「サンゴ」と「レイアウトロック(岩石)」の画像と共に、画像のアップロードができるAIに貼り付けてください。

※画像のアップロードの際は、利用する生成AIごとに規約がありますので、その規約を守ってアップロードしてください。

手順

  1. AIのチャット画面を開く。
  2. 「自分の水槽の岩(または購入予定の岩)」と「配置したいサンゴ」の画像をアップロードする。
  3. 後述の「マスタープロンプト」を貼り付けて送信する。

注意

AIへの画像の提供は、原則自分で用意・撮影したものである必要があります。
ショップの商品画像などを無許可でダウンロードして、AIにアップロードすることはNGです。

シミュレーション用サンプル画像

以下に、シミュレーション用のサンゴとマルコロックのサンプル画像を提供します。
まずはこれらで試してみると良いでしょう。お好みでDLしてご利用ください。

ミドリイシ
スコリミア
マメスナギンチャク

※シミュレーションのサンプル画像生成以外の目的には使用しないでください。

マスタープロンプト(コピぺで利用可能)

【役割】
あなたは熟練のアクアリウムデザイナー兼、画像生成スペシャリストです。
提供された画像リソースを分析し、指定された岩の形状を維持したまま、サンゴが成長したリアルな水槽レイアウトを生成してください。

【指示詳細】

  1. ベース形状の維持: アップロードされた「岩」の画像の3D形状、輪郭、穴、突起をテンプレートとして完全に維持してください。形状の変更は禁止です。
  2. 質感の変換: 岩の表面を、石灰藻が付着した熟成感のある「ライブロック」のリアルなテクスチャに変換してください。
  3. サンゴの配置と再現: アップロードされた「サンゴ」の画像から種類・色・構造を特定し、岩の表面(特にフラグの跡がある場所や棚状の部分)に自然に配置してください。
  4. 成長シミュレーション: サンゴは単なる貼り付けではなく、岩に活着し、大きく成長した姿を描いてください。
  5. 環境仕上げ:
    • 背景:ディープブルーのバックスクリーン。
    • 底砂:白いサンゴ砂。
    • 照明:アクアリウム専用LED(ブルー/UV強調)による透明度の高い水中写真風。
    • その他:余計な機材(ポンプ等)は描かないこと。

生成結果例

いかがでしょうか。
概ねの成長イメージがつかめる画像が出力できたと思います。

ただ、必ずしも万能ではありません。

スコリミアがボアバンキーのような群体になってしまっていますね。

このようにAIによる画像生成はまだまだ完璧とは言いにくい部分もありますが、「成長するとだいたいこんな感じになるかもしれないな」というイメージを掴む上で有用です。

この場合でも、追加指示を与えるとより狙いの画像に近づけることがあります。
例えば、今回は以下のような追加指示を与えてみました。

添付した画像はスコリミアですが、ボアバンキ―のような群体状になってしまっています
基本的には単独で徐々に分裂するはずです

この特性を踏まえて画像に再反映させてください

追加指示後の生成結果

すると、ボアバンキーのような群体状の成長イメージから、よりスコリミアのような単独で分裂する表現に近づきました。

このように、サンゴの種類によっては一発では上手くいかないことも多々あります。

そのような場合でも、追加指示を与えることで、より実際の成長イメージに近づけられる場合があります。


プロンプトの「カスタマイズ」を楽しもう

レイアウトやマルコロックのカスタマイズと同様に、プロンプトもカスタマイズしてみましょう。

追加指示

一度生成してみると、「もっとこうしたい」と思うことはきっとあるはずです。
その場合は、言葉を付け加えるだけで調整可能です。

例えば、生成結果に以下の指示を追加で与えてみます。

マメスナギンチャクのカラーリングを、もっとカラフルに入り混じったものにして

カラフルに入り混じった結果になりました。
今回は単に「カラフルに」とだけ指定し、具体的な色は指定しなかったため、このような変更結果になりました。
(若干違和感があるカラーリングですね)

しかし、この時に手持ちのマメスナギンチャクの画像を添付したり、変更したいカラーを具体的に指定すれば、その内容を反映してくれる可能性が高まります。

AIによる画像生成は、1回の生成で納得いく結果が出力されることのほうが珍しいです。
生成結果を見ながら、何度か追加で修正指示を出すことにより、徐々に理想形に近づいていくかもしれません。

マスタープロンプトの調整

生成結果を見ながら、おおよそ共通している特徴のうち、特に環境の表現は変更したいケースがあると思います。
この場合は、「5.環境仕上げ」の記述を変えることで、望む結果を引き出しやすくなるでしょう。

  • 照明の色を変えたい
    • 変更例: 「深海のような、蛍光色が強く浮き出るディープブルーの照明にして」
  • 発色を強めたい
    • 変更例:「サンゴの蛍光色は、アクアリウム用LED特有の鮮やかな発色を再現して」
  • 底砂を変えたい
    • 変更例: 「底砂は粗目のアラゴナイトにして」
  • 成長度合いを加速させる
    • 変更例: 「設置から3年が経過し、サンゴ同士の隙間がなくなるほど巨大化した状態にして」

うまくいかないときは

AIによる画像生成は、概ね合っているけれど、細かい描写が変。
ということもよくあります。

うまく行かないときは、以下の2点を確認してみましょう。

写真映りの確認

AIに添付する画像は、できるだけはっきりと被写体が映っているものが望ましいです。
出力結果は添付した画像により大きく左右されます。

さきほどのサンプル画像ほどのクオリティは必ずしも要求されず、なんとなくスマホで撮っただけの写真でも十分に反映できることが多いです。
しかし、もしそれでうまく行かないときは、AIが形状を認識しやすい単色の背景で撮り直すと、うまく行くことがあります。

モデルによる出力精度の差

うまく行けば成長後の画像が出力されるはずですが、使用したモデルによっては「ちょっと違う」画像が出力されるかもしれません。

これはAIというツールの特性上、一回の出力では思うような結果が得られないことがあります。
同じ内容で複数回再試行すると、解決するかもしれません。

また、一口に画像生成が可能なAIモデルといってもその種類は実に様々です。
AIモデルごとに、出力される画像にはいわば「クセ」のような傾向があり、与えたサンゴの種類と岩の形状によってそれを得意とするものと、苦手とするものがあります。
モデルによってサンゴの特徴を理解しているものもあれば、そうでないものもあります。

そのモデルが与えた画像の認識が得意なのか、あるいは苦手なのかは、試してみるまで分かりません。

あるモデルで複数回試行しても微妙な出力結果となる場合は、そのAIモデルは与えられた「サンゴ」と「岩石」との相性が良くないのかもしれません。

そんな時は、画像生成が可能な別のAIモデルをいくつか試してみると、うまく行くかもしれません。

一般に、「知名度が高く流通量が多いサンゴ」ほど形状が正確に出力されやすいです。
一方で、「マニアックで流通量が少ないサンゴ」ほど、参考となるデータが少ないのか、正確な形状が出力されにくい傾向にあります。


あくまでも「シミュレーション」

上手く扱えば、AIは素晴らしい理想形を表現してくれます。
しかし、実際の飼育やレイアウトにあたっては、以下の注意が必要です。

  • 適正環境の無視:AIは水流や光の強さといった、サンゴ各種が持つ理想的な環境の性質を考慮しません。
    見た目がそれらしく、見栄えがすることを優先して配置する傾向があります。
    あくまでも実際の配置は飼育者の知識で補いましょう。
  • 毒性の無視: AIは「見た目の美しさ」を優先して配置しますが、実際には隣り合うサンゴ同士が刺胞毒で攻撃し合うことがあります。配置間隔は飼育者の知識で補いましょう。
  • 成長速度の個体差: 画像では一斉に育ちますが、実際は種類によって成長速度が全く異なります。
    また育成環境によっても大きく異なりますので、あくまでもイメージです。
  • 形状の「嘘(ハルシネーション)」: AIがレイアウトをかっこよく見せるために気を利かせて、岩の形や成長後の姿を、勝手に改変してしまうことがあります。
    例えば、本来ないはずの場所に勝手にトンネルができたり、サンゴが岩を突き抜けて生えたりすることがあります。

あくまで「だいたいこんな感じ」というイメージとして捉えるのが吉です。

また、生成画像はいかに精巧なものであったとしても、実物ではありません。

本プロンプトは私的利用の範囲での、成長後イメージのシミュレーション作成を目的に公開しています。
利用するご自身のブログへの使用や、SNSへの投稿も一般的に差し支えないことが多いですが、生成した画像を公開する場合は、利用したAIモデルの規約に従ってください。

また、AIで生成した画像を全体に公開する場合は、できればAIを用いて生成した画像である旨を添えておくことが望ましいです。


まとめ:デジタルスケッチが拓く新しいアクアリウムライフ

かつての、プロのレイアウターがスケッチブックに描いていた構想図。
現代の私たちは、それをAIという強力なツールを用いることで、より手軽に、リアルなビジュアルを手にすることができるようになりました。

真っ白なドライロックが紫色の石灰藻に覆われ、小さなフラグが立派なコロニーへと育つ。
その未来の姿をAIで覗き見ることは、失敗を減らし、理想の水景へ最短距離で近づくための武器になります。

もし生成された画像が理想と違ったら、遠慮なく言葉(プロンプト)を書き換えてみてください。
むしろ1回目の出力は理想と違うことのほうが多いかもしれません。

その試行錯誤こそが、あなただけの「理想の海」を作る第一歩になるはずです。
ただし、AIで生成した成長後のイメージは、あくまでもイメージにすぎません。
飼育環境によってもサンゴの発色や成長度合いは大きく異なります。

AIが生成できるのはあくまでも『羅針盤』。
最終的に舵を握るのは、あなた自身です。

この新しい技術を賢く取り入れて、あなただけの理想の海を表現してみてください。
それでは、良きアクアリウムライフを。

Dab.O.Haze

Dab.O.Haze(ダブ・オー・ヘイズ) 「霞のように謎に包まれた海の世界に、ちょっと触れてみよう」── 海水水槽の第一歩を丁寧にご案内。ハゼ系が得意。

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