リーフタンクにおける汎用的なクリーナー生体

リーフタンクに入れる生体を大別すると、

  1. 主役はサンゴ
  2. 少数の目を惹く観賞魚
  3. クリーナー生体

の3グループで構成するのが基本となるでしょう。

今回はこのうち、リーフタンクに採用されることが多い、汎用的なクリーナー生体の概要を一覧で紹介します。
前提として、サンゴを中心とした水槽では基本的には生体の数はあまり多く入れない傾向があります。
生体の数が多いと硝酸塩が蓄積しやすくなり、サンゴを調子よく育てられる環境が維持しにくくなるからです。

しかしながら、水槽内に自然発生するコケを食べてくれるなど、水槽内の美観を損ねる存在を除去してくれる習性を持つ生体は、クリーナーとして重宝します。

クリーナー生体とは

観賞目的としてよりも、水槽内の景観を美しく保つためのメンテナンスを主な目的として導入する生体です。
大きく分けて「コケ対策」「底床の攪拌」「有害生物対策」の3パターンがあります。
一口にクリーナーといってもそれぞれの生体の役割は種によって全く異なります。
種によってそれぞれに得意不得意があるので、お手持ちの水槽にベストマッチな生体を選んで導入してみましょう。

求められる役割上、クリーナー生体には鑑賞性よりも機能性が優先されがちです。
しかしながら、中には色彩が豊かで鑑賞性の高いものもいます。

ここでは比較的流通量が多く、入手しやすい生体をピックアップして紹介します。

コケ対策生体

水槽壁面やライブロックの表面などに生えるコケの掃除を得意とした生体です。

ヤエヤマギンポ

ヤエヤマギンポ

ヤエヤマギンポは古くからコケ取りとして親しまれるギンポの仲間です。
コケ取り生物としてスタンダードな選択肢で、茶ゴケ(珪藻)を食べてくれる頼もしい魚です。

日本では沖縄県の八重山諸島周辺で多くみられるためヤエヤマと名につきますが、固有種ではありません。
むしろ世界規模でみると、広域分布種にあたります。

リーフタンクにおける珪藻の対策としては、真っ先に名前が挙がるくらい基本的な選択肢といえます。
基本的に他魚との協調性は良くトラブルは起こしにくいほうですが、クリーナーとしては最大で10cm程度とやや大きくなります。

なおライブロックの表面上に生える緑藻類や藍藻類(シアノバクテリア)も多少食べますが、珪藻類に比べると好みではないのか、さほど積極的には食べません。

大型個体の場合、行動圏の重なる低層魚に対してはトラブルを起こすことがあります。
例えばマンダリンをはじめとしたスクーターブレニーの仲間や、ハゼ類などの底生魚と競合する場合があるので、この点には留意しておきましょう。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽1匹※やや狭い
60cm水槽1~2匹
90cm水槽2~4匹
120cm水槽4~6匹

スマイリーブレニー

スマイリーブレニー
(イシガキカエルウオ)

スマイリーブレニーは小型のギンポの仲間です。
別名をイシガキカエルウオといい、最大でも5cm程度にしか育たない小型種です。

基本的な役割はヤエヤマギンポに準じ、珪藻を積極的にを食べてくれる魚です。

個体あたりの処理可能な量はヤエヤマギンポに比べると少ないものの、こちらは大型にならず、性格がより温和という点が差別化要素となります。

30cm以下の小型水槽では、本種を採用したほうがよりトラブルを起こしにくいでしょう。
小型リーフタンクに適性のあるギンポといえます。

水槽サイズが大きいと行方不明になってしまいがちなので、その場合は単体での処理能力が高くサイズもあるヤエヤマギンポのほうが有効です。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽1~2匹
60cm水槽2~4匹
90cm水槽※90cm以上の水槽にクリーナーとして導入する場合、
ヤエヤマギンポのほうがおすすめ
120cm水槽

シッタカガイ(バテイラ)

シッタカガイ

シッタカガイはコケ取り用の巻貝としては最もポピュラーな貝です。
三角錐の形状が特徴的で、ガラスや岩の表面に生えるコケを舐めとってくれます。

バテイラの名でも知られ、こちらのほうが標準和名です。
それぞれ「尻高貝」「馬蹄螺」の字が当てられます。

主にガラス面に生える珪藻の除去に有効です。
珪藻を専食しているので、茶ゴケ対策としての効果はてきめんです。
反面、珪藻がなくなると餓死するのでこの点には注意が必要です。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽3匹
60cm水槽5~10匹
90cm水槽10~15匹
120cm水槽15~20匹

コイソ貝

コイソ貝

コケ取り用の巻貝として有効な小型の巻貝です。
「コイソ貝」の名前で流通する貝は複数おり、クボガイ、ヒメクボガイ、クマノコガイ等、外見が類似する複数種の総称になります。

シッタカガイに並び、こちらもガラス面に生える珪藻の除去に有効です。
シッタカガイと比べても、コケ取りとしての能力に大きな差はありません。

こちらも珪藻を専食するため、茶ゴケ対策には非常に有効です。
同様に、珪藻がなくなると餓死するので注意も必要です。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽3匹
60cm水槽5~10匹
90cm水槽10~15匹
120cm水槽15~20匹

各種タカラガイ

ハナビラダカラ

タカラガイの仲間は観賞的価値も高く人気の巻貝です。
単体でのコケ取り能力は高くないものの、一定程度ガラス面や岩の表面に生えた珪藻を食べてくれるので、水槽を華やかにしつつクリーナーとしても役立つ貝です。

種類も様々おり、コレクション性が高いのもこのグループの特徴です。

様々な種類が流通していますが、「ハナビラダカラ」「キイロダカラ」「ハナマルユキ」の3種は比較的見かける頻度も多いでしょう。

タカラガイの貝殻は、かつて貨幣やアクセサリーなどにも利用されていました。
海辺の観光地のお土産としては定番で、古くから人々に親しまれています。

キイロダカラ
ハナマルユキ

タカラガイは種類によって若干食性が変わります。
比較的流通量の多い上述の3種は珪藻に対するクリーナーとして有効に働きます。

またこのうち、「ハナマルユキ」に関してはカイメンに対する食性がほかの2種よりも強いと考えられています。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽3~5匹
60cm水槽5~15匹
90cm水槽15~20匹
120cm水槽20~30匹

※単体でのコケ取り能力はさほど高くありません。
タカラガイ単体では数が必要になり、サンゴを中心とした水槽では大量の生体を硝酸塩の蓄積の観点でも良くありません。
シッタカガイなど、他のコケ取り能力が高い巻貝類と組み合わせての導入がおすすめです。

タツナミガイ

タツナミガイ

コケ類の除去に有効なアメフラシの仲間です。
主に岩の上に生えた海藻類の除去を得意としますが、珪藻・緑藻・藍藻なんでも食べてしまう貪欲なクリーナーです。

1匹で処理可能な範囲が広く、美観を重視する水槽では大変役立ちます。
一方で本種自体の見た目のクセが強く、30cm以上と大型になり存在感もあるため、人により好みがわかれます。
基本的には大型水槽向けとなります。

水質の変化にも強く、働きぶりも良い強健な種ですが、万が一水槽内で死亡すると水質を著しく悪化させる点にも留意しましょう。

「存在感のある見た目」「大型になるサイズ」「死亡時のリスク」の3点の留意事項とうまく付き合えるのであれば、コケ掃除に関しては最強のクリーナーといっても過言ではありません。

クリーナーの中でも卓越した処理能力を誇りますが、大食いなので餌となる藻類がなくなるとすぐに餓死してしまうことがある点に注意しましょう。

タツナミガイが食べる藻類がなくなった場合、ウミブドウやアオサ、乾燥ワカメなどを与えることで長期飼育が可能です。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽不向き
60cm水槽1匹※やや狭い
90cm水槽1~2匹
120cm水槽2~3匹

フシウデサンゴモエビ

フシウデサンゴモエビ

残餌やコケの除去に有効な海産エビです。
サンゴモエビの仲間は別名「サロンシュリンプ」とも呼ばれ、特に糸状藻類の除去を得意とします。
サンゴモエビの中では最も流通量が多く、入手しやすいのが本種となります。

本種はクリーナーとして優秀な反面、空腹状態が続くと柔らかい共肉を持ったサンゴを食べてしまうことがあります。
LPSを中心としたリーフタンクでは、できるだけ空腹にさせないよう意識して管理しましょう。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽3匹
60cm水槽5~10匹
90cm水槽10~15匹
120cm水槽15~20匹

エメラルドグリーンクラブ

エメラルドグリーンクラブ

主にカリブ海に生息する緑色が美しいカニです。
色には個体差があり、緑や若干褐色がかったものも存在します。

一般にカニはどう猛なイメージがありますが本種は草食性が強く、特にリーフタンクの海藻駆除役として活躍する優秀なクリーナーです。

なお、こちらも海藻がなくなると餓死しやすくなります。

本種はウミブドウを与えると、少しずつちぎって食べる様子もユニークです。
海藻がなくなったら、リフジウムに移して海藻を与えることで、引き続き管理していくことも可能になります。

他種との混泳も可能ですが、エサが少ないと活動する夜間に貝類などを捕食することがある点に注意しましょう。

ウミブドウ
ルビーエメラルドクラブ

「ルビーエメラルドクラブ」という、エメラルドグリーンクラブのカラーバリエーション的な位置づけの種も流通しています。
流通量はエメラルドグリーンクラブに比べるとやや少なめです。

同種の色彩変異なのか、近縁種なのか、別種なのか、詳細については不明点の多い種です。

クリーナーとしての働きぶりは、エメラルドグリーンクラブと特に変わりません。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽2~3匹
60cm水槽3~6匹
90cm水槽6~9匹
120cm水槽9~12匹

各種サンゴヤドカリ

ユビワサンゴヤドカリ

熱帯の浅い海に棲むヤドカリの仲間です。
色彩豊かな様々な種類が流通しますが、クリーナーとしての働きぶりは度の種もさほど高いものではありません。
色彩などでお好みの種を選ぶと良いでしょう。

ヤドカリ類はライブロックの表面に生えた藻類の除去や、残餌の処理を得意とします。

食性は幅広いものの、クリーナーとしての性能は他のコケを専食する生体に比べるとやや低めです。
コケ対策をメインとしての導入には、やや力不足を感じる場面もあるでしょう。

自然下のサンゴ礁に暮らすヤドカリは、ほとんどがサンゴヤドカリです。
サンゴヤドカリ類の導入は、自然環境の再現にもなります。

スベスベサンゴヤドカリ
ウスイロサンゴヤドカリ
クリイロサンゴヤドカリ
シロサンゴヤドカリ
クリーナーとしての導入目安
30cm水槽3~5匹
60cm水槽5~15匹
90cm水槽15~20匹
120cm水槽20~30匹

コケの対策関連記事

ここまではコケ対策に有効な生体を紹介してきました。

基本的に、生体による茶ゴケ対策はあくまで「少量出るものの抑制」と考えましょう。
例えば、水槽全体を覆うほどの茶ゴケが出たときにその全てをシッタカ貝に処理させようと大量に投入してしまうと、茶ゴケを食べ尽くした後に餓死する個体が現れ、結果的に水を汚すことに繋がってしまいます。

根本的な対策については、以下の記事をご確認ください。


底砂の攪拌に役立つ生体

底砂に潜る習性を持つことで、嫌気層の発生の抑制に有効な生体です。

各種ムシロガイ

アツムシロガイ

小型のムシロガイの仲間です。
ムシロガイの仲間は底床内に潜り込んでしまった珪藻や残餌、生体や微生物の死骸を掃除してくれます。

このグループは基本的に夜行性で、ふつう昼間は底砂に潜っています。
夜になると底砂の上に出てきて活動を始めます。

また、においにも敏感です。
餌となるものの匂いを感知すると、底床の中から這い上がってきます。

総じて、底砂の掃除や攪拌に大変有効なグループです。

底床内の見えない部分を掃除してくれるので、目立たないもののリーフタンクにおいて重要な役割を果たします。
複数種が流通しており、お好みのものを選ぶと良いでしょう。

イボヨウバイ
リュウキュウムシロガイ
カニノテムシロガイ
シイノミヨウバイ
クリーナーとしての導入目安
30cm水槽3~5匹
60cm水槽5~15匹
90cm水槽15~20匹
120cm水槽20~30匹

マガキガイ

マガキガイ

長い口を伸ばし、砂や岩などの表面に付着した有機物を食べてくれる巻貝です。

海水水槽のクリーナーとしては定番種であり、底床の掃除を得意とします。
また、岩などの表面に生えたコケもある程度は食べてくれます。
ただしガラス面の掃除は不得意なので、シッタカガイコイソ貝と組み合わせると良いでしょう。

本種は動くために進化した、長くとがったふたが刀のように見えることから、「チャンバラガイ」とも呼ばれます。
一部地域では食用にもされており、食材としてはこの名称のほうが親しまれているようです。

本種は有毒で知られる「イモガイ」の仲間に似ていますが、これは身を守るための擬態と考えられています。
マガキガイは貝殻の縁にある目を出す部分にくぼみがあり、この点で有毒なイモガイ類と区別できます。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽2~3匹
60cm水槽4~8匹
90cm水槽8~12匹
120cm水槽12~16匹

クロナマコ

クロナマコ

熱帯の岩礁域に生息するナマコです。
底床内の残餌を砂ごと体内に取り込み綺麗にしてくれるので、底床内の清掃能力に関しては極めて長けています。

目の細かい底砂を敷いた水槽や、生物ろ過を中心とした水槽に有効といえるでしょう。

強健種であり、飼育環境が適切であればそうそう弱ることはありません。
しかし、万が一水槽内で死亡すると、サポニンという他の生体にとって有毒な物質を放出する点に注意が必要です。

クロナマコの死因として最も多いのは餓死です。
掃除要員としての役割が完了した後、クロナマコへの適切な給餌がいきわたっていないことにより死亡するケースが多いので、本種への給餌も怠らないようにしましょう。

クロナマコは性質上姿を見せないことも多く、その存在を忘れがちです。
底床内の清掃能力には関しては確かに高い能力を発揮する一方で、水槽内で死亡するとリセットが必要なレベルのアクシデントを引き起こす原因となりえます。

メリットもデメリットも大きいため、導入にあたってはそのリスクとリターンをよく勘案してから決めると良いでしょう。
復帰困難なほど弱っている場合は、速やかに水槽外から取り出し水換えを行ってください。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽不向き
60cm水槽1匹
90cm水槽2匹
120cm水槽2~3匹

カーリー対策生体

リーフタンクに発生する厄介な有害生物、カーリー(セイタカイソギンチャク)。
カーリーが発生すると強い刺胞毒でサンゴを弱らせてしまいます。
また、カーリーの増殖力は強く、放置していると水槽内にどんどん増えてしまいます。

リーフタンクにおいて、カーリーは発生初期に薬剤を用いてのピンポイントの駆除が基本的におすすめです。
カーリーはサンゴと同じ刺胞動物であるため、カーリーを食べる生体は多かれ少なかれサンゴも食害してしまうリスクを持っています。

空腹状態にさせないことである程度コントロールは可能ですが、生体での駆除は確実性がありません。
薬剤を使いたくない方や、すでに広がりきってしまっている場合は、生体による対策も一定程度有効でしょう。

ペパーミントシュリンプ

ペパーミントシュリンプ

半透明の体に赤いラインが多数入る、美しい外見の海産エビです。
カーリー対策といえば本種の名が挙げられるほど、カーリー駆除には定番の生体です。

カーリー駆除用にリーフタンクに収容されることが多いのですが、餌が無くなり空腹状態が続くと、マメスナギンチャクやオオバナサンゴなどの共肉が柔らかいサンゴを食害してしまうことがあります。

ソフトコーラルやLPSを中心とした水槽では、この点に留意したほうが良いでしょう。

カーリーの駆除完了後は、専用の隔離水槽に収納するのが有効です。
また、甲殻類を好んで食べるベラやバスレット類とも、相性が良くない点にも留意しましょう。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽2~3匹
60cm水槽4~8匹
90cm水槽8~12匹
120cm水槽12~16匹

アカモエビsp.

アカモエビsp.

ペパーミントシュリンプに並びカーリー対策として有効なシュリンプです。
流通量の多い種類ですが分類には不明な点が多く、sp.の名のまま古くから流通しています。
ペパーミントシュリンプに比べると、一回りほど大きい個体が多く入荷する傾向があります。

基本的な性質はペパーミントシュリンプに準じますが、比較的雑食傾向が強く、動物質のものはよく食べます。
空腹状態が続くとサンゴや小魚を食べてしまうことがあり、特にマメスナギンチャクやイエローポリプなどは捕食されてしまう可能性が高いため、注意が必要です。

ソフトコーラルやLPSを中心とした水槽では、この点に留意したほうが良いでしょう。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽2~3匹
60cm水槽4~8匹
90cm水槽8~12匹
120cm水槽12~16匹

カゴカキダイ

カゴカキダイ

カーリー対策としては最高クラスの除去性能を誇る海水魚です。
しかしながら、その食性上サンゴもついばむリスクもあるので、リーフタンクにおいての優先度は低めです。

本種はサンゴが入っていない水槽であれば、カーリーに対する殲滅能力を存分に発揮してくれます。
しかしサンゴが入っている場合は、サンゴも多少なり食害されるリスクがあるため、あまりおすすめはできません。

どちらかといえば、海水魚を中心とした水槽向きといえるでしょう。
小型個体はカーリーを好んで捕食しますが、成長して大型個体になると好みが変わるのか、あまり積極的には食べなくなるようです。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽1匹※やや狭い
60cm水槽1匹
90cm水槽1~2匹
120cm水槽2~4匹

イトマキヒトデ

イトマキヒトデ

日本近海でも広く一般的に見られるヒトデです。

実はカーリーの除去能力に関しては高い性能を誇ります。
しかしながら見た目よりも動き回りレイアウトを崩すため、サンゴが入っている水槽に直接入れるのはおすすめできません。

カーリーはメインの水槽だけでなくサンプ由来で発生することも多く、本種は特にサンプ内でのカーリー駆除に役立ちます。

クリーナーとしての導入目安
30cm水槽1匹※やや狭い
60cm水槽1匹
90cm水槽1~2匹
120cm水槽1~3匹
※リーフタンクのカーリー対策として導入する場合、イトマキヒトデはメイン水槽ではなくサンプに入れましょう。

クリーニング対象がなくなったらどうする?

クリーナー導入後のトラブルとして多いのは、「除去対象がいなくなった後」です。
導入することでコケや残餌を除去できますが、除去しきった後に餓死するケースが意外と多いのです。

クリーナー生体を導入する場合は、水槽内がきれいになった後もどうするか考えて導入しましょう。
役目を終えたクリーナーは、サンプに収納して適切に給餌するなどの対応が必要です。
※一度飼育を開始した生体は、絶対に海に放したりしてはいけません。

特に、「タツナミガイ」や「クロナマコ」は、餓死した場合のリスクが大きいです。
万が一水槽内で死んでしまうと、水槽のリセットが必要になってしまうほど水質を汚してしまうことがあります。

タツナミガイ
クロナマコ

これら2種はクリーナーとして強力であるという点においては間違いはありません。

メリットは大きいですが、死亡してしまった場合のデメリットも大きいです。

リスクとリターンを良く勘案の上、導入することおすすめします。

入れすぎは逆効果

クリーナー生体は水槽内の美観を保つうえで役立ちますが、たくさん入れれば効果的、というわけでもありません。

むしろ適正な匹数以上の導入は過剰な硝酸塩を供給を引き起こし、サンゴの育成に悪影響を与えてしまいます。
これでは本末転倒です。

水槽の状態を見ながら、手で除去できるものは手で除去することも重要です。

リーフタンクにおける汎用的なクリーナー生体 まとめ

クリーナー生体は大きく分けて、「対コケ」「対底床」「対有害生物」の3種類に用途が分かれます。
種によって得意不得意があるので、水槽の状況に適したものを選びましょう。

また、特にリーフタンクにおいては、生体による美観の維持はあくまでも補助的なものと考えてください。
生体の数を増やせば増やすほど、サンゴの飼育が難しい環境になってしまうからです。

リーフタンクにおいては、コケは発生初期のうちに手で取ったり、カーリーは数が少ないうちに薬品で処理したりと、広がる前にご自身で手を打っていくのがベストです。
そのうえで取り切れないものをクリーナー生体に任せる という運用が理想的といえます。

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